相続放棄と生命保険金
(1) 被相続人の財産より借金などの債務が多い場合には、相続の放棄をすることが多いでしょう。相続人が相続財産の一部または全部を処分した場合には、その相続人は、相続を単純承認したものとみなされ、相続の放棄はできなくなります。
(2) 相続人(受取人)が、被相続人の契約した生命保険金を受け取った場合に、その生命保険金の受け取りは、相続財産の処分とみなされるかが問題となります。判例は、死亡保険金の受領は、受取人が生命保険契約に基づく固有の権利を行使したもので、相続財産の一部の処分ではないので、相続放棄はできると解しています。
(3) ですから、相続を放棄しても、受取人に指定された相続人が生命保険金を受けとることはできることになります。