遺産分割審判に対する即時抗告
家庭裁判所がした遺産分割審判に対して不服がある場合、即時抗告をすることができます(家事事件手続法198条1項1号)。
抗告とは、判決以外の裁判について、上級裁判所に対して、その取り消し変更を求める上訴のことをいい、その中でも即時抗告は、不服申立期間の定めがあるものをいいます。
即時抗告の提起は、審判の告知を受けた日から2週間以内に行う必要があります(家事事件手続法86条1項)。
当事者が複数の場合、告知を受ける日が異なる場合がありますが、即時抗告の期間は、告知を受けた者が審判の告知を受けた日から2週間となります(家事事件手続法86条2項)。
なお、審判の効力は確定により生じますが、即時抗告がなされない場合の確定日は、最も遅く審判の告知を受けた者が審判の告知を受けてから2週間経過後になります。
即時抗告は、遺産分割審判をした家庭裁判所を管轄する高等裁判所が抗告裁判所になりますが、抗告状は原裁判所に対して提出する必要があります(家事事件手続法87条1項)。
遺産分割審判に対する抗告事件の手数料は1800円であり、判決に対する控訴と異なり、一律の金額になっています。
また、抗告状を提出する際には、相手方の分も裁判所に提出し、抗告裁判所が相手方に抗告状の写しを送付します(家事事件手続法88条1項)。
抗告状に抗告の理由の記載がない場合は、抗告提起後14日以内に理由書を原裁判所に提出する必要があります(家事事件手続規則55条1項)。
これも、判決に対する控訴の場合には、控訴理由書の提出期限が控訴提起後50日以内と定められていたり、提出先が控訴裁判所と定められており(民事訴訟規則182条)、異なりますので、注意が必要です。